理論物理学者の大学教授である筆者が、核兵器(原爆、水爆、中性子爆弾等)と原子力を発電利用した発電のしくみを非常に分かり易く解説したものである。確かに非常にそのエネルギーの発生原理が、専門知識なしに理解できるほど平易な解説である。
昨今、地球温暖化防止のための環境・省エネ・新エネの話題はマスコミ等新聞紙上で尽きない。この二酸化炭素排出量抑制の切り札とも言える原子力発電のしくみについては、ある程度知っているとはいえ、同じ「原子力」を利用する核兵器については、まだまだ知らないことがあったので十分に楽しめた。
ウラン(U235)の核分裂連鎖反応を利用する広島型原爆、プルトニウム(Pu239)の核分裂連鎖反応を利用する長崎型原爆、重水素(H2)の核融合連鎖反応を利用する水爆、それらの科学的原理や爆発のメカニズムや構造上のしくみがよく分かった。昔、なんとなく理解していた原理が、すんなりと腑に落ちた気がする。
核の話は、兵器にしても平和利用の発電にしても多分にどうしても政治的な話と結びつくので、所感は述べません。ただ、どのような立場にたつにせよ、本書の科学的知識は役に立つことは確かです。