これは半ば辞書として本書を用いる場合のレビューです。
なぜなら本書はページ数が多く、なかなか通読ができる代物ではありません。
一つ一つの論点紹介の深さも、充分すぎると思われる箇所も見受けられ、
各個人が必要な箇所について掘り下げるという使い方をすべきと思うからです。
タイトルにも書きましたが、内容は細かいことでもほとんど書き尽くされています。
この手の厚い本では、論点や判例の射程は広いが、趣旨や理由付けが薄い
といったことはよく見受けられるのですが、本書ではそんなこともあまりなく
必要十分にまとめられていることにただ驚かされます。
しかし本書の問題は事項索引の使いにくさに尽きると思います。
書いてあっても、探せなければ何も見つからなくなってしまいます。
目次(これもそんなによいとは言えませんが)や判例で目的の事項に
たどり着ければ問題はありませんが正直使い込まないと厳しいでしょう。
中でも、会社法において事項索引の重要性は高いと思います。
その理由は、会社法の性質として、実体的な要件と手続がひとつの法律に
まとまっていることにもよると思います。
例えば、同じ株式でも、平等原則と新株発行手続、それが取締役会で
どのように問題になるか、また新株発行無効の訴えなど、同じ事項が別の部分で
どのように規定されているか問題になることは多いと言えます。
事項索引さえしっかりすればこれほど素晴らしい本はないと思います。
この点、版が頻繁に更新されているだけに、あえて星を少なめに評価します。