投資歴だけは長いので、最近定年退職後の人に株式投資の手ほどきをしています。
まず必ず読むようにお願いする本が2冊あり、1冊は新井邦宏氏の「投資の王道・株式市場のテクニカル分析」、もう1冊がこの伊藤智洋氏の著書です。新井氏の著書は感銘を受ける方が多いのですが、伊藤氏のこの本は「面白くない」「退屈だ」などと評判はよくありません。
株式投資というものは、アメリカの双子の赤字がどうの、中国の人民元の切り上げがどうの、といったいわゆるファンダメンタルズで論じている間は面白く楽しいものなのですが、それでは株で利益は取れません(長期投資を除く)。株で利益を取るにはツールとしてのテクニカル分析が絶対に必要です。しかしテクニカルを使った株の売買とは退屈で面白みなどないものです。株の利益とはそのうんざりする時間に耐えて得られるご褒美ではないかとさえ思えます。伊藤氏のこの本が面白くないのはそのテクニカルを論じる故の宿命でしょう。
この本はテクニカルの中でもチャート分析に特化した内容で、しかも独自の見解も多く、私程度の投資実績の人間でも異論反論したい部分があります。しかし初心者の方はまずこの伊藤氏の投資法に謙虚に耳を傾け理解を深めるよう勤めるべきでしょう。当然疑問や批判があるでしょうが、それらとの関わり合いの中で自分の投資法を確立して行けばよいのです。批判すべき明確な対象を持たないまま投資知識を蓄積しても、ただの投資の物知りで終わることが多いようです。