洋画「硫黄島からの手紙」の元となった本です。硫黄島守備隊の司令官として赴任した栗林中将の半年あまりの間の家族への手紙が収録されています。手紙ということで、故意に行間を広くとっているのでしょう、短時間で読み終えることができる字数です。ですが自分の運命を知るが故に残された家族にはできる限り安全に健康にそして長生きして欲しいという、当時としては口外できないような愛情ある言葉が素直に手紙という形で家族に伝えられています。(従って手紙には他言無用という添え書きが記されます)そして時折家族から栗林さんあてに届く手紙にも精一杯の心遣いが感じられます。
この本を読んだ後もう一度映画を見ると、劇中で朗読される手紙の意味がよく解り(例えば「たこちゃん」の意味とか)切なくなります。家族への手紙では心配をかけまいとして常に被害は軽微と伝えています。が、実際はもちろんそうではありません。アメリカ軍の攻撃の激烈さは「十七歳の硫黄島」を読むと詳細に分かります。そちらもお薦めです。