1986-1992年に週刊ヤングジャンプ誌上にて、TVのプロジェクトXの先駆けの如き重厚なドラマを描いていた森田信吾氏の名作、復活第二弾です。
本作の我が国における自動車メーカーのパイオニアのひとつ、豊川順彌氏率いる白楊社の努力と栄光、そして早過ぎる没落を見事に一巻にまとめています。
特にあまりにもあっけない終焉は個人や小さな会社の力では如何ともしがたい時代、運の無さを感じさせます。
上記は「栄光なき天才たち」シリーズに共通するテーマですが、森田氏と監修の鈴木一義氏の絶妙なアレンジにより、現代我々が忘れられがちな先人の偉大さを知る事が出来ます。
筆者も白楊社の事は本作を読むまで寡聞にして存じ上げませんでした。
所々明治ながら武士道を貫く豊川氏が格好良過ぎる気が致しますが、ご子息の豊川慶氏のあとがきが実際の順彌氏の徳の高さや晩年の不遇に触れており、さらにほろ苦さと感動を加えています。
大いにお薦めです。