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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
さすが真保裕一!,
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レビュー対象商品: 栄光なき凱旋 上 (単行本)
最初は淡々としていて後半半分位までは読み進みにくいが、最後はやはり読者の期待を裏切らない。環境も境遇も異なるジロー、ヘンリー、マットが、それぞれの思いで運命を背負い、 多くの犠牲を受け容れ、すべてを失っても、最後まで守ったもの。 守る意味は何か。 第2次世界大戦中の日系移民の苦悩を通して、気高さや誇りを持つことの尊さを感じさせられる。 さらに主人公や仲間達、脇を固める人物達まで、それぞれの個性が掘り下げられており、心の痛みも痛切に伝わってくる。 どのキャラも好きにならずにはいられなかった。 また、戦線での描写は、戦争映画などの画像で捉えるよりもよりリアルに鮮烈に、悲惨な状況を映し出していた。 読後は虚しさなのか、儚さなのか、切なさなのか自分でも解せない感情と清々しい感動に包まれた。 重いテーマも決して陰湿さは残さず、勇気を与えられるような真保作品はやはり最高だ。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戦時中のアメリカ日系移民の苦悩を描写,
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レビュー対象商品: 栄光なき凱旋 上 (単行本)
久しぶりに真保裕一の新刊が出たのでさっそく読んだ。垣根涼介の「ワイルド・ソウル」がブラジル日系移民を題材としているのに対し、こちらはハワイやカリフォルニアの日系移民を題材とし、戦時中の彼らの悲惨な状況を描写している。こういう書き方が流行なのか、主人公の3人だけはフィクションで、彼らを取り巻く状況はノンフィクションというスタイル。戦時中の日系移民の状況については、僕もある程度予備知識があったのだが、日系移民が中途半端な有色人種としてかなりの迫害を受けたこと、ドイツ移民やイタリア移民は強制収容されなかったのに日系移民だけ強制収容されたこと、日系移民で構成される米軍部隊が困難な前線にばかり投入され犠牲者を増やしたことなどを読むと、改めて当時の日系移民の困難について考えさせられてしまう。本自体は、前半1/3は主人公の状況やバックグラウンドの説明が多いため、割と淡々と進むのだが、後半2/3はいつもの真保節が炸裂し、どんどん引き込まれてしまう。真保本の中でも高位にランクされるだろう力作。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
小役人シリーズを超えた大河感,
By nikataro (横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 栄光なき凱旋〈上〉 (文春文庫) (文庫)
今までの小役人が普通の市民生活の中で事件に巻き込まれへこたれそうになりながらもなんとか解決する、という一連のシリーズとは打って変わって逃げようのない歴史の流れに翻弄される国家、民族、個人を描きながらも根底ににはヒューマニズムがしっかりと感じられる大作。ハワイとLAの日系人街で暮らす3人の若者がそれぞれの希望や問題をかかえながらも自由に生活していた日々が、日米の開戦と同時に抗うことのできない環境に大変化してしまう。収容所収監、軍隊への入隊(しかも日本語解読という軍務)、いわれのないスパイ容疑などまだまだ苦難が予想される展開。そんな中でも雇用してくれた白人の社長や弁護をひきうけてくれたクェーカー教徒の弁護士などの虚心のない言葉に救いを感じる。文庫も2冊と勘違いし、旅行中で上巻と下巻しか手元にない不運を嘆きつつ、下巻を先に読んでしまうか、帰国したら成田で中巻の速攻買いか思案のしどころとなった・・・。
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