最初は淡々としていて後半半分位までは読み進みにくいが、最後はやはり読者の期待を裏切らない。
環境も境遇も異なるジロー、ヘンリー、マットが、それぞれの思いで運命を背負い、
多くの犠牲を受け容れ、すべてを失っても、最後まで守ったもの。
守る意味は何か。
第2次世界大戦中の日系移民の苦悩を通して、気高さや誇りを持つことの尊さを感じさせられる。
さらに主人公や仲間達、脇を固める人物達まで、それぞれの個性が掘り下げられており、心の痛みも痛切に伝わってくる。
どのキャラも好きにならずにはいられなかった。
また、戦線での描写は、戦争映画などの画像で捉えるよりもよりリアルに鮮烈に、悲惨な状況を映し出していた。
読後は虚しさなのか、儚さなのか、切なさなのか自分でも解せない感情と清々しい感動に包まれた。
重いテーマも決して陰湿さは残さず、勇気を与えられるような真保作品はやはり最高だ。