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16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
天の焔で境界を溶かしてしまう,
By patella (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 柿の種 (岩波文庫) (文庫)
物理学者で俳人でもある著者が、友人の俳句雑誌「柿渋」の巻頭に連載したという短文をまとめたもの。挿絵も自身で書いたというものがついていて、温かな雰囲気です。一番はじめに書かれている、「日常生活の世界と詩歌の世界の境界は、唯一枚の硝子板で仕切られている。・・・」ではじまる文章だけでも、読む価値がありました。 ・・・・・・・ 日常生活の世界と詩歌の世界の境界は、唯一枚の硝子板で仕切られている。 この硝子は、初めから曇って居ることもある。 生活の世界の塵に汚れて曇って居ることもある。 (中略) 稀に、極めて稀に、天の焔を取って来て此の境界の硝子板をすっかり熔かしてしまう人がある。 ・・・・・・・ 子猫の話、油絵をかいてみる話、大学構内で出合った親子の話。それぞれ、ただ味わい深いだけでなく、学者的な論理の明確さも、ユーモアも見え隠れしています。「日常と詩歌の境界」の曇りが拭われて、世界が鮮明に見えてくるような気持ちになります。 著者こそ、「境界の硝子板を溶かしてしまう人」の一人であったのだろう、と思われてなりません。科学に関する他の随想などを読むと、もしかしたら著者はさらに、科学と詩歌(芸術)との境界も溶かしていたのでは、という気にすらなってしまいます。どんな科学者の心にも同じ焔の種はある、と私は思うのですけれど。。。 もっと著者の随想を読みたい方には同じく岩波文庫で随想集(全五巻)が手頃だと思います。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゆっくりと。,
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レビュー対象商品: 柿の種 (岩波文庫) (文庫)
柿の種、なんとも興味を惹くタイトルではないでしょうか?ゆっくりゆっくり一ヶ月くらいかけて読みました、まるでその時代に タイムスリップしたような気になります。ハチ公が生きてたんだ~ 秦野に関東大震災でできた湖なんてあるんだ!! なんて この本を、読むと身近なことをまた子供のときのように
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ごく短い私信等をまとめたものでもキラリと光るものが・・・,
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レビュー対象商品: 柿の種 (岩波文庫) (文庫)
台風のとき、自然の大きさをじかに感じてなぜか笑いがこみ上げてきた、との話がこの随筆に出てくる。私はこれと同じことをこの8月の台風襲来のときに感じた。「寺田寅彦随筆集第一巻~第五巻」まで読んだために、私も随分、寅彦氏に洗脳されているのかもしれない。本書は随筆というより、巻頭言というかごく短い私信を時系列的にまとめたもので、寅彦氏特有の鋭い観察眼を楽しむよりは、より寅彦氏自身に触れられる作品といえる。たとえば、寅彦氏と夏目漱石が好みの女性のタイプ等を話しているくだりが書かれている。変な言い方であるが、彼らも同じ人間だったのだな、と気づかされ、他の「まじめな」随筆まで親近感が沸いてくる。
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