この本のタイトルは『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』らしいのだが、でも本の表紙を一見すると『小説の読み方、書き方、訳し方』ってタイトルだと思っちゃう。ところがよく見ると右上に小さなフキダシがあって、「柴田さんと高橋さんの」と但し書きがある。よく見ないと見落としちゃいそうだし、見えてても小さな文字だから、そんなに大切な但し書きとも感じず無視しちゃうかもしれない。しかし、この但し書きがないタイトルだと、すごいエラソーだよね。
いや、但し書きも2通りに読める。「柴田さんと高橋さんの」が「柴田さんと高橋さん流の」という意味なら、それなりに謙虚な空気が漂うのだが、「柴田さんと高橋さんが教える」と取るなら、これは上から目線のタイトルですよね。
で、読み終えた感想としては、幸いにと言うか当然と言うか、あんまりエラソーな印象はないですね。その代わり、「読み方、書き方、訳し方」の秘訣を教えていただけるという内容でもない。
じゃあどういう内容かって言うと、印象に残ったのがp222の柴田の発言で、「若島正さんが僕のエッセイ集をほめてくれて、僕のエッセイというのは、読むとすぐ何が書いてあったか忘れるって言うんです。それでなぜ忘れるかっていうと、教訓とかメッセージにまとまらないように努めているから」だという件り。読んでるときはいろいろ発見もあって、教訓とかメッセージも受け取ったような気がしたんだけど、読み終えたら全部忘れちゃった。