1.いきなり合冊:前著「交換日記」購読者にとっては「続き読みたいなら2800円出して再度全部買え」ってことになる。出版社は前著の購読者を全く無視している。800頁、厚さ4cm以上と場所取り、白地に黒で「不幸全記録」の巨大で禍々しい背文字。こんな本誰も本棚に置きたくないので売れないわけです(当然図書館で借りました)。なぜ続編をまず出さなかったのか。無理やり一冊にしたものの、後半の書き流しと失速ぶりはひどすぎる。2.タイトル:作者の世界のどこにも他動的な不幸はない。全部自分の無計画や無思慮、横暴な態度が招いたこと。実態は息子や同居人や担当編集、出版社など「柳美里関係者の不幸全記録」なのだ。己を顧みる姿勢や自己責任の欠落した作者の滅茶苦茶ずれた思考回路に共感覚えるのは無理。3.帯のキャッチコピー:「百万人のシングルマザーのために」→真面目に働き必死で子育てしてる世間のシングルマザーが読んだら、確実にぶち切れるだろう。家政婦、秘書、複数のシッター、ダスキン、庭師、下僕まがいの彼氏まで使いながら、非効率な仕事しかできず、育児は放棄、鬱を理由に惰眠をむさぼる著者の姿に怒りを覚えるに違いない。4.表紙のヌード:恨みがましいカメラ目線で貧相な裸を晒す著者が表紙では、買う気はさらに萎える。本書をタイトルからすべて企画したのは旧担当編集者とのことだが、話題性だけを狙った安直な企画は大失敗。編集者ももっと真面目に仕事してください。それにしてもこれほど他人の感情を顧みず他人の感情や傷に鈍感な人が作家として通用していることそのものが、最大の驚きです。