購入したその日に、あまりの面白さに一気読みしました。
第三作「魔岩伝説」 で一般的にはブレイクし、山風はじめ五味康佑、司馬遼太郎、柴田錬三郎といった時代小説作家の遺産(今回の「薔薇」には「十兵衛暗殺剣」「柳生一族の陰謀」といった東映時代劇映画にまで目配せが及んでいるからしびれます!)の上に作品を発表している荒山徹は真の意味での時代伝奇小説の正統な後継者と言っていいでしょう。
デビュー作であることを意識して「奇想天外」ぶりをおさえた第一作「高麗秘帖」、山風忍法帖ファンが泣いて喜ぶはじけっぷりの最高傑作「魔風海峡」もいったん読み出したらやめられないとまらない面白さでした。出世作(一般的認知度を上げた)「魔岩伝説」が実は最も下位の出来なのですから、そのボルテージたるや押して知るべし。
物語上の関連性は薄いので「薔薇」から読み始めてもさしつかえはないのですが、この、「唯一の欠点は短すぎること」である傑作をより愉しむために、最近文庫化もされた傑作「十兵衛両断」を先に読んでからお読みになることを強くオススメします。荒山徹、今回も期待を裏切りません!