前書きに「柔道界の数々の常識にメスを入れる」とあります。実証のためとはいえ何もそこまでしなくてもというような部分もありますが、その姿勢には好感が持てます。何事も既存の常識や、タブーを生み出している規範を疑うのは大切です。「おわりに」で紹介されるエピソードにも単なるオチ以上のものがあります。
4名の共著ですが、出版の常識としては、誰がどの章を担当したかは明記すべきでしょう。著者のうち2人は全日本チームの幹部です。何を考えているかは知りたいところです。まして数々の新奇なトレーニング方法で柔道ファンをアッと言わせている斉藤氏の場合は。
ボリュームも手頃であり、監督やコーチが遠征で選手たちに帯同する際、鞄に忍ばせて新幹線の中ででも読むといいかもしれません。きっと他日、指導の上でのスパイスになるでしょう。