「村田正夫」この名前は彼が神奈川県の東海大相模高校で全国に有名をはせていた時から30年来、私にとって「柔道」の代名詞である。
内股、体落とし、足払い、どの技をとっても尋常ならざる切れ味であったが、その長身痩躯から繰り出す内股においては「村田の前に村田なく
村田の後に村田なし」と言っても過言ではないと思う。今回「カミソリ村田」の技の指導解説書が出たとあって、大変喜ばしいと同時に不安も
あった。あの不世出ともいうべき技の切れ味は村田氏だけのもので、とても技の解説書に出来るものではないと思ったからだ。しかしその心配
は杞憂に終わった。村田理論に裏打ちされた技の数々はどれもため息がでるほど素晴らしく、巷にある指導解説書をはるかに凌ぐ出色の解説書
であったからだ。本物の柔道を学ぼうとする青年諸子に是非一読をお薦めするものである。