80年代当時の筆者の視点から60年代以前から70年代までの日本の、主に消費者の変化が論じてあります。60年代以前は禁欲的、プログラム的で消費者の「顔」が見えない生産至上主義な時代、それに対して70年代は多品種少量の時代で人々が自分をかけがえのない人格として自己固有の趣味を形成し始めた時代としています。衣服は「着れればそれでいい」からデザインを気にするようになり、消費動機も機能よりデザイン・イメージを重視し、消費の過程を楽しむ時代であると主張し、筆者はそれを、他人と触れ合いつつ柔軟に自己を形成していく「柔らかい個人主義」として支持しています。