「青菜」は、ある大家(たいけ)の庭木の剪定をする植木屋さんが、この家の旦那さんの上品な振る舞いに感化され、自分の家でもそう振舞ってみようと試みる話。タイトルに「青菜」とあるのは、旦那さんが植木屋さんに酒と青菜をご馳走しようとするところから来ている。青菜はあいにく切らしてしまっているが、この家の奥さんは旦那さんにそれを隠し言葉で伝える。この雰囲気に魅せられた植木屋さんは四畳半の我が家へ戻り、ぜひそれをやってみたいと思う。だが、植木屋さんを囲む面々といえば…。植木屋さんもその嬶(かか)も、ひがみのない人柄として演じられているので素直に笑うことができます。落語でおなじみの飲み食いの場面があり、映像がほしいところですが、音源でも十分に楽しめます。
「佐々木裁き」は高名な奉行が子どもと頓知問答をするお話。枝雀はこの子どもを、とんちが利き多少の皮肉屋だが皆から愛されるキャラクターとして演じているので、聞いていても嫌味がありません。もともとこれは講釈の『一休頓知問答』から作られた話なので、一休さんのとんち話を想像してもらうとよいでしょう。子どもとは対照的におろおろするお父っつぁんの様子が笑いを誘います。