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果心居士の幻術 (新潮文庫)
 
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果心居士の幻術 (新潮文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

超人的な力の持主であるがゆえに、戦国時代の武将たちの運命を左右しながらも、やがては恐れられ殺されていった忍者たちの不可思議な生き様を描いた『果心居士の幻術』『飛び加藤』。そのほか、日本建国の神話に題材を取った『八〓(た)烏』から、幕末・新選組の裏面史を扱った『壬生狂言の夜』まで、歴史の中に埋もれた興味深い人物・事件の数々を掘りおこした作品集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

司馬 遼太郎
1923‐1996。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。’66年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。’93(平成5)年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、’71年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 265ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1977/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101152233
  • ISBN-13: 978-4101152233
  • 発売日: 1977/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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果心居士の幻術・飛び加藤
 江戸中期の随筆に着想を得て書かれた映画化された長編「梟の城」と同じく忍者もの。奇説をもとにしながら司馬さんの歴史への鋭い視点も感じられる。物語としても興味深かった。

壬生狂言の夜
 新撰組を扱った最初の作品。後年「新撰組血風録」「燃えよ剣」という長編の名作がこの作品に続いた。

八咫烏
 短編の秀作。記紀の神武東征伝にわずかに登場する「八咫烏」を主人公として「神武東征伝」(作中では神武はイワレ彦)の熊野→奈良盆地侵入の顛末を描いた。かび臭さを感じる記紀からこれほど豊かな作品が出来るのかと衝撃を受けた。

朱盗・牛黄加持
 小泉八雲や柳田国男が描いた世界観を感じた。民俗学的にも面白い物語だと思われる。

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By 内田裕介 トップ500レビュアー
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昭和35年11月から翌36年3月の半年足らずに発表された初期の短編集である。

この時期、長編「風の武士」と「戦雲の夢」を連載しながら、十作もの短編を発表している。司馬は非常に多作な作家であったが、創作のエンジンが猛回転し始めたのがこの時期だ。

2ヵ月後の36年5月、勤めていた産経新聞社を退社して作家生活にはいる。その意味でも記念碑的な作品集といえるだろう。

以下、収録作品を発表順に紹介する。(発表年は講談社文庫巻末年表によった)

1)朱盗(昭和35年11月)

 740年に大宰府で反乱を企てた藤原広嗣。百済の渡来人との奇妙な交流を描く。司馬は後年、日本人が成立したのは鎌倉以降、とよくいった。日本人成立以前の上代を題材にとった数少ない作品のひとつである。

2)壬生狂言の夜(昭和35年11月)

 新撰組隊士と若後家の心中譚。新撰組を取り上げた最初の作品である。

3)牛黄加持(昭和35年12月)

 帝の女御に懸想する青年僧の妖しき呪術と官能を描く。純文学的味わい。

4)飛び加藤(昭和36年1月)

 上杉謙信と武田信玄に仕えた実在の忍者、加藤段蔵の伝。

5)八咫烏(昭和36年1月)

 記紀神話の時代、日本原住の出雲族と朝鮮渡来の天孫族の戦いと融和を描く。

司馬の新聞記者時代の先輩で、大国主命を先祖に持つと称する出雲族の末裔W氏の話に触発されたらしい。同じ36年1月、中央公論誌に「生きている出雲王朝」という論文があって、小説よりも、この論文の方が司馬らしくてよい。

6)果心居士の幻術(昭和36年3月)

 戦国の武将、松永弾正に仕えた実在の忍者、果心居士の伝。

なお、文庫で本書のみに収録されているのは「朱盗」と「八咫烏」である。2は講談社文庫「アームストロング砲」に、3,4,6は文春文庫「ペルシャの幻術師」にも収録されている。
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By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
構成は、忍びの者系2篇、新撰組系1編、古代・中世系3篇の計6編。司馬氏と云えばまずは戦国〜明治の大河小説というイメージがあったのだが、個人的には後半の3篇はそのイメージをいい意味で裏切るものであり、それらの濃密な小説世界に一瞬世俗を忘れた。

「二つの血を兼ねる場合、顔の似ない人種に対しては劣等感をもち、顔の似た人種のほうには憎しみをもつのではないか」(160頁)。
「黄な色でござりまするな」「病には勝てぬ。准泥観音も諒とし給わろう」(247頁)。
「摩刮すべし」(254頁)。

後半3篇の中から一篇を選べと云われれば、私は「牛黄加持」を選ぶものである。
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