「銀座開化おもかげ草子」シリーズの第2巻。第1巻の終わりでは宿敵石谷蕃隆を討つために宋八郎が家を飛び出すで終わったため、その結果がどうなったと思っていたところ、冒頭で石谷は東京を離れて行方がわからなくなり、対決は暫く先になったことが明らかになり、少し肩透かし。
結果として、本書は宋八郎の身近で起きた事件を描く、6篇の短編で構成される。何れも文明開化の明治初頭ならではのシチュエーションが設定され、その中で急変する時代に生きる人々の苦悩と希望が描かれる。著者のタッチは情に流されずクールでありながら、注がれる眼差しは暖かく、このバランスが絶妙だ。構成もよく練られており、特に「醜い筆」「果ての花火」の2篇のラストには何とも言えぬ余韻を感じた。
本書の最後に再び宋八郎は石谷蕃隆を討つために夜の街に駆け出すところで終わるが、最終巻の「西南戦争」ではどのような展開になるのだろうか。次を読むのが待ち遠しいシリーズである。