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果ての花火―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)
 
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果ての花火―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫) [文庫]

松井 今朝子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

命を賭して信じる道に突き進めぬ者が、どうして士族を名乗れようか。久保田宗八郎は、虚しさを感じていた。株式会社、開かれた言論、徴兵制度。西南戦争前夜、すべてが急速に欧米化してゆく。銀座煉瓦街で親しく交わる、若様、巡査、耶蘇教書店主。そして、深い縁で結ばれた元遊女比呂と、互いに恋情を確かめ合った可憐な綾―。名手が、時代に翻弄される人びとの哀しみを描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

松井 今朝子
1953(昭和28)年、京都生れ。早稲田大学大学院修士課程を修了後、松竹株式会社に入社。歌舞伎の企画・制作にたずさわる。退社後は武智鉄二氏に師事し、歌舞伎の演出・評論などを手がける。’97(平成9)年、『東洲しゃらくさし』で作家としてデビュー。同年、『仲蔵狂乱』で時代小説大賞を受賞。2007年、『吉原手引草』で直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 351ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/7/28)
  • ISBN-10: 4101328722
  • ISBN-13: 978-4101328720
  • 発売日: 2010/7/28
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By スイート・サイエンス トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
「銀座開化おもかげ草子」シリーズの第2巻。第1巻の終わりでは宿敵石谷蕃隆を討つために宋八郎が家を飛び出すで終わったため、その結果がどうなったと思っていたところ、冒頭で石谷は東京を離れて行方がわからなくなり、対決は暫く先になったことが明らかになり、少し肩透かし。

結果として、本書は宋八郎の身近で起きた事件を描く、6篇の短編で構成される。何れも文明開化の明治初頭ならではのシチュエーションが設定され、その中で急変する時代に生きる人々の苦悩と希望が描かれる。著者のタッチは情に流されずクールでありながら、注がれる眼差しは暖かく、このバランスが絶妙だ。構成もよく練られており、特に「醜い筆」「果ての花火」の2篇のラストには何とも言えぬ余韻を感じた。

本書の最後に再び宋八郎は石谷蕃隆を討つために夜の街に駆け出すところで終わるが、最終巻の「西南戦争」ではどのような展開になるのだろうか。次を読むのが待ち遠しいシリーズである。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
明治維新を経て西南戦争前夜に至る、まさに激動に時代です。
廃刀令から徴兵令、地租改正、そして初めての株式の発行が行われる時代。まだまだ残る幕藩体制の残滓と、西洋に伍して行くために見よう見まねで西欧化を推し進める波。

この本を読んでいると、明治維新を成し遂げた勢力の思いの幅の広さが良く解ります。それゆえのその後のかじ取りによる様々な軋轢が、西南戦争へとすべて集約して行くように思えます。

そんな中で、元旗本の若者を中心に、若様、キリスト教徒に改宗した者、岡っ引きからポリスになった者、遊女上がりの女性、キリスト教徒のお嬢さんと、これまた種種雑多な人の集まりが、この物語を牽引して行きます。

そこで起こるのは、時代の亀裂から起こる様々な事件ですが、そこには人々の哀愁や悲しみに溢れています。
一つの大きな時代の流れは、その中心に居なくても荒波に巻き込まれて行きます。

この本の素晴らしさは、そうしたどこでもいるような人々を通して、明治維新と言う歴史の大きな転換点を捉えている事です。
それは、決して綺麗事では済まないし、一言で語る事の出来ない錯綜した世界です。

それでも、登場人物の人物造形は素晴らしく、魅力的な主人公たちです。
そして、考え方は様々ですが、共通した「優しさ」があります。
そんな彼らの目を通して見た激動の時代の鮮やかさが、読者に迫ってきます。
そして、それはいつの時代にもあることどもの様にも思えてなりません。
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