ご存じクドーちゃんの絵が描いてある本書、軽い気持ちで読もうかと思ったら、びっくりでした。内容の濃いこと。クドーちゃんが最後に死んだのか、そしてどうして死ななきゃいけなかったのか、ずっと疑問に思っていましたが、この本で納得しました。全体的な構成でいうと、1〜2章の佐治乾、丸山昇一を語るところで、このドラマの基本的な骨格が述べられ、3〜4章の那須真智子、柏原寛司のところで、このドラマのオルタナティブがどう発展したのかが書かれている。そして、重要なのはここからだ。5〜7章の内田栄一、宮田雪、小鷹信光の読み込みで、松田優作=工藤俊作にとっての「探偵物語」を考える上でキーとなる概念がたたみ込むように論じられ、その際に提出された<ミステリ>が最終章の「松田優作=工藤俊作の身体」で一気に解読されていくというものだ。松田優作ファンならずとも、テレビ論やミステリ評論として、あるいは70年代論・80年代論としても読める、とても楽しくも勉強になるものです。