内容紹介
日本人作曲家の中でも、独自の足跡を残した松村禎三の3つの作品。アジア的なものを表現しようと努めた「交響曲第1番」で、総譜に記された音は、蝗の群れのように湧き上がり、巨大な渦となり聴き手を圧倒する。そして、35年以上経て書かれた「交響曲第2番」は、彼自身のモノローグであり、全ての人類へ捧げる憂いと希望の光である。響きはより調性に回帰し、ピアノと管弦楽は対話を重ねながら、最後のクライマックスへと突き進む。そして、「ゲッセマネの夜に」では、松村の思いは、 キリストの眼差しを借りながら、人々の苦悩をまっすぐに指し示す。偉大な作曲家であり、また表現者であった松村禎三の音楽に、対峙する時来たる。
録音・編集(24bit/48kHz)2006 年9 月18-19 日
アイルランド ダブリン ナショナル・コンサート・ホール
プロデューサー…ティム・ハンドリー/解説…西耕一
松村 禎三(まつむら ていぞう) 1929 年1月15日~2007年8月6日
京都市出身。1949年、旧制第三高等学校理科卒。伊福部昭並びに池内友次郎に師事。1955年に《序奏と協奏的アレグロ》が第24回NHK毎日音楽コンクール管弦楽部門で1位に入賞、サントリー音楽財団委嘱による遠藤周作の小説に基づくオペラ《沈黙》は高く評価されている。2000年勲四等旭日小綬章受章。映画音楽の作曲者としても広く知られ、「夢千代日記」(1985年、浦山桐郎監督)、「TOMORROW 明日」(1988年、黒木和雄監督)、「父と暮らせば」(2003年、黒木和雄監督)の他、「忍ぶ川」(1972年)、「海と毒薬」(1986年)、「千利休 本覺坊遺文」(1989年)、「ひかりごけ」(1992年)など数多くの熊井啓監督作品の音楽を手掛けている。
アーティストについて
神谷郁代(ピアノ)…2
アイルランド国立交響楽団/湯浅卓雄(指揮)