松坂のメジャー行きも決まり、指導者を目指すはずの小山も中日に入団した今となっては、本書に書かれていることの古さは否めない。かといって、それはこの本の価値を貶めるものではまったくない。この本が出版された2003年当時の松坂世代の偽らざる気持ちが、丁寧に描写されているからだ。
ただ、ここまで松坂世代を追いかけた著者には、2007年シーズンが終わった(松坂がメジャーでどれだけの成績を残せたか)段階で、もう一度彼らに迫る義務があると考えるのは私だけではないだろう。タイトルに「松坂世代」と名付けた段階で、彼らの軌跡を5年ごとぐらいにレポートする義務があるのではないか。私はそう期待したい。
松坂は引退するときも1番でいられるのか、本当の勝者は誰なのか?私は、この世代は本当は小山の世代であると思っている。今プロとしてトップを走っているのは松坂というのに異論はない。しかし、野球人として最終的にトップに立つのは小山だと確信している。小山という人間はそういう星の下に生まれている。プロで大した成績は残せなくてもいい。いずれは、同じ捕手出身である阪急の上田監督のような指導者になるだろう。
個人的にはPLファンである私にとって、上重の「僕だって太陽になりたいんです」という言葉が重い。
野球に少しでも興味のある方にはぜひお勧めしたい一冊である。長い本だが、それだけの価値はある。ただ、書かれた当時と情勢が変わっており、今を知るものには歯がゆいところもあるので、星はマイナス1の4つとする。