まず、純粋に「読み物」として抜群に面白い。
古き良き日本のごく普通の家庭で生まれ育った少女が
時代の流れと多くの人との出会いによって
演劇活動、フリーライター、俳優のマネージャー、映像制作のプロデューサー
といった職業(すべてフリーランス)を経て、
50歳を過ぎて映画監督として3本の作品を生み出すまでの波瀾万丈の物語。
文章が簡潔なうえ具体的なエピソードが満載で
ぐいぐい読み進めることができた。
著者はその3本の映画作品で
「普通の人」が大きな困難に見舞われたとき、
そこから逃げずに最善を尽くす決意をし、行動したとき
彼ら彼女らがいかに美しく輝くか、ということを繰り返し描いてきた。
本書を読めば、それは著者自身の生き方の投影であり
だからこそ、彼女の作品は多くの人々の心をとらえてきたのだということが分かる。
人間にとって本当に大切なのは「精神の独立」を意味する「自律」ではないかという著者。
それは右肩上がりの経済成長が終わり、
東日本大震災後を生きていかなければならない日本人すべてに
必要な心得ではないだろうか。
映画に興味のある人も無い人も
著者を知る人も知らない人も
老若男女すべての人の背中を押してくれる
気づきと生きるヒント満載の本書。
ぜひたくさんの人に読んでほしい。
現代人必須の一作です。