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東電OL殺人事件 (新潮文庫)
 
 

東電OL殺人事件 (新潮文庫) [文庫]

佐野 眞一
5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (95件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   1997年3月8日深夜、渋谷区円山町で、女性が何者かによって絞殺された。被害者渡辺泰子が、昼間は東電のエリートOL、夜は娼婦という2つの顔を持っていたことがわかると、マスコミは取材に奔走した。逮捕されたのは、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ。娼婦としての彼女が、最後に性交渉した「客」であった。

   本書は、事件の発端から一審判決に至るまでの一部始終を追ったものである。その3年もの間、著者は、事件にかかわりのある土地に足繁く通い、さまざまな証言を集めた。事件現場となった円山町は言うにおよばず、ゴビンダの冤罪を晴らすべく、はるかネパールにまで取材に行った。立ちはだかる悪路難路を越えて、彼の家族友人から無罪の証言を得ようとする著者の姿には、執念を感じてしまう。

   ネパール行脚が終わると、裁判の模様が延々と書かれている。ゴビンダを犯人と決めつけている警察の捜査ひとつひとつに、著者はしつこく反論していく。このくだり、読み手は食傷気味になるかもしれない。だがその執念も、ともすればステロタイプにくくられがちな「エリート女性の心の闇」に一歩でも迫りたいという一念からきたのだろう。著者は、確信犯的に堕落していった渡辺泰子に対して、坂口安吾の『堕落論』まで引用して、「聖性」を認めている。その墜ちきった姿に感動している。この本は、彼女への畏敬と鎮魂のメッセージなのである。(文月 達) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

彼女は私に会釈して、「セックスしませんか。一回五千円です」といってきました―。古ぼけたアパートの一室で絞殺された娼婦、その昼の顔はエリートOLだった。なぜ彼女は夜の街に立ったのか、逮捕されたネパール人は果たして真犯人なのか、そして事件が炙り出した人間存在の底無き闇とは…。衝撃の事件発生から劇的な無罪判決までを追った、事件ノンフィクションの金字塔。

登録情報

  • 文庫: 541ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/08)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101316333
  • ISBN-13: 978-4101316338
  • 発売日: 2003/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (95件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 3.0 ジャーナリズムの偽善性, 2006/10/5
レビュー対象商品: 東電OL殺人事件 (新潮文庫) (文庫)
佐野眞一の著書としてはすこぶる評判の悪い一冊である。その予断をふまえあえて読んでみたが、
悪評の理由が何となく分かった。筆者自らが冒頭で述べている「被害者の心の闇の解明」への読者の期待は
結局大半が裏切られるのだが、その理由をつきつめれば、それが「被害者のプライバシーを侵害するのは
目的ではない」とする筆者のジャーナリストとしての「たてまえ」にあることがおのずと明白だからである。

いうまでもなく殺人事件の被害者を語る時点ですでにそのプライバシーは侵害されており、
また現に筆者も取材の過程において何度となくそれを侵害している。筆者は被害者に対するまったく通俗的な
興味と感傷を赤裸々に語りながらも、著述においてはジャーナリストとしての「たてまえ」を掲げ、取材の結果
判明したであろう一部事実を明白にせず、筆者自らが本書のテーマとする「闇」をまさしく「闇」に葬ってみせる。
「私はジャーナリストだから興味を持ちプライバシーも暴くが、私は立派なジャーナリストだから公表はしない。
この本の読者のように被害者のプライバシーに興味を持つのは人間として低俗な行為だからである」というのが
あたかも本書のメッセージであるかのようだ。

「侵害はするが冒涜はしない」というのがこの種のノンフィクションにおける「プライバシー」に関しての
筆者と読者との倫理的な暗黙の了解でなくてはいけない。筆者の偽善は、自ら通俗の一途な徒でありながら
「自分たちは正当であり、インターネットの書き込みは便所の落書きだ」と決めつけるいまのジャーナリズム
の偽善性の象徴であるかのようだ。本書を読んで誰もが不快に思う理由は、おそらくその一点につきる。
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85 人中、71人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 ノンフィクションとは?, 2007/3/28
レビュー対象商品: 東電OL殺人事件 (新潮文庫) (文庫)
辞書によると、『虚構を用いず事実に即して作られた作品』となっているんですけど何かが違います。

佐野さんは感情移入して判断をしてしまいます(事実に即しているけど逸脱もしちゃう という感じです)、客観的事実よりも自分の感情や心情を優先してしまっている様に感じました。ま、それでも佐野さんにとってのノンフィクションなのだ!と言ってしまえばその通りなのですが。

また、佐野さんの「東電OLは素晴らしく堕落、それも大堕落した存在」という先入観が最初からあったと思います。それといわゆる「オジサン目線」なんですよね、そこが(私にとって)残念でした。

私が興味を惹かれたのは「何故そんな人がいたのか?」です。「どうしてそこまで突き抜けてしまったのか?」なんです。

個人的にこの被害者の方がどういうモノの考え方をしていたのか?そこが知りたいのですが、残念ながらその方面のアプローチも、もうひとつでした。

どちらかといえば被告人からの、立場、生い立ち、生活とか冤罪を追求する!警察のずさんさへの怒り!だとかに焦点があたっていました。

しかし、それでもなお読んで良かった。私はこの事件について記憶がほとんど無く、ただ「ふ〜ん」という感想しか事件当時は無かったので、いろいろ知る事が出来てよかったです。

でも、ネパール(被疑者の生まれ故郷の国、同居していた友人の証言を聞きに佐野さんが1週間の強行取材をする)の部分はもっとスマートに出来たと思います、ちょっと長いし感情的過ぎでした。無罪を信じているなら真犯人に繋がる切り口の方が重要だと感じますが。

できたら女の方で(被害者の方と)同世代のライターの方に取り組んでみてもらいたいです。
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72 人中、60人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 真夜中に書いたラブレター, 2002/4/7
レビュー対象商品: 東電OL殺人事件 (単行本)
 東電OL殺人事件をテーマに被害者の女性の「堕落の過程」と「被告の冤罪の可能性」をどこまでも追いかけた本です。
著者が「私の体験的ノンフィクション術(集英社文庫)」で書いているようにまさに地を這うような取材を行った結果の集大成だと言えるでしょう。

 その執念がこの本の持ち味でもあり、空回りして何も伝わらない本になってしまった原因だと思います。
本書の結論は、被害者女性の堕落性には神聖さがあり、それ故に世の女性達があれほどに事件に反応したのだということと、被告になった男性は、警察が人種的偏見に基づいた捜査を行った結果の冤罪事件だという2点です。

それなのに膨大な取材の結果のどれもが、残念ながらその結論には結びつくようには思えませんでした。
 亡くなった被害者の方には申し訳ありませんが、本書を読んだ限りでは、売春をしていて殺人事件に巻き込まれたこと以外に結局なにも分からず、同情も共感もしませんでしたし、警察が被告の方を容疑者としたのにも十分な理由があったように感じました。

読み進めて行くうちに、結論を先に決めてしまったような著者の思い込みと、こじつけばかりが鼻についてきます。
本書のテーマである「東電OL殺人事件」の内容よりもむしろ、ノンフィクション作家である著者が、これほどまでに客観性を無くしてしまった過程のほうに興味を持ちました。

まるで真夜中に書いたラブレターのような本です。

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ここも東電関係者の投稿が多いですね 0 2011/08/05
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