ライトノベルなのに軽くない森橋ビンゴの最新作です
超常能力出てきません。テンプレートな萌えヒロインも出てきません。
その気になれば何でもできるスーパーな主人公の多いライトノベル界において
今作の主人公は作者の描く主人公像に漏れず「閉塞感」「焦燥感」「無力感」「生々しい性欲」を抱え込み、悩みまくっています。
しかし中学生時代に作家としてデビューしていたという、こちらこそ主人公に相応しいであろう才気溢れるヒロインもまた「長編が書けない」と足踏みをしているのです。
彼女の言う「一人の人間の人生なんて短編小説だ」という言葉の通り主人公もヒロインも超人的存在などではないのです。
ふとした機会からそんな彼女が長編小説を書くために必要な「体験」を得るための試みに巻き込まれた主人公。
優秀すぎる兄や、ポジティブすぎる兄の彼女、ハイスペックすぎる同級生に囲まれどん詰まりの思春期の中で見つけた短編小説を長編小説へと結びつける方法とは…
自分のちっぽけさに悩む思春期真っ只中の少年少女にこそ読んで欲しい一作であります。