内容紹介
東陽一作品を3作収録したBOXシリーズ第2弾。
【沖縄列島】
私は今日も爆音の中で眠るのだ――1968年沖縄。基地に囲まれた返還前の日常を鋭く深くとらえた問題作。
●映画は再生ガラス工場でガラスびんの打ちくだかれるシーンからはじまる。打ちくだかれるコーラの空きびんだ。飛び散るガラスの破片、溶解炉の炎。
「日本の政府とね、日本の国民はね、私たちをアメリカに売りはらった…それは娘を売りはらった親父と同じ…恥ずかしくないのか」
返還前の日常に横たわる沖縄の数多くの風景、貌、そして人々の声。このさまざまな現実の断片が寄せ集められてみると、沖縄列島全体が世界に不協和音を発していることに気づく。戦後23年の沖縄の現実が浮き彫りにされる。
【やさしいにっぽん人】
ひとりの青年をとりまく日常と夢。シャカの「ことば」をもとめて遍歴する魂の記録。
●沖縄での集団自決を生きのびた赤ン坊であり、今は何もそのことを記憶していないという暗示的な運命を持つ「シャカ」と呼ばれる青年と、その恋人や友人たちの、真の「ことば」を求めて遍歴する姿を描く。東陽一の最初の劇映画。
脚本は、東陽一と前田勝弘の二人が書きおろし、無名のプロダクションの仕事でもあったが、河原崎長一郎、緑魔子をはじめ多くの俳優たちが極めて熱心に、この映画に参加した。
俳優たちに共通する態度は、たとえば、伊丹十三によるならば、「このスタッフの無謀さに賭ける」ということでもあったろう。
【日本妖怪サトリ】
現代に蘇る妖怪サトリ、人間の魂にしのびよる――現代人への鎮魂歌。
●『沖縄列島』『やさしいにっぽん人』と話題作を発表し、71年度監督新人賞を受賞した東陽一が、その後二年の歳月をかけて完成した作品である。
物語は、人の思うことを次々に言い当て、思うことがなくなると、とって喰うという“想像力の民話的な反映”とも言うべき妖怪“サトリ”を、現代に蘇生させることによって、状況のもつ根深い荒廃の根を、そして、人間の魂の不可視の暗部を鋭くえぐりだそうとするものである。
主演は、水族館に勤める女のしたたかな実在感を独特な感性で浮き彫りにする緑魔子、また、管理社会からはみだして生きる“ものぐさ太郎”には河原崎次郎、そして太古の昔より甦える妖怪“サトリ”には、特異なマスクと不思議な存在感を有する山谷初男が紛している。
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
東陽一監督が手掛けた3作品を収めたBOX第2弾。返還前の沖縄の日常を鋭く捉えた『沖縄列島』、戦中の集団自決から生き延びた青年の魂の遍歴を描く『やさしいにっぽん人』、人の思考を読む妖怪の民話を題材とした『日本妖怪伝 サトリ』の3作を収録。