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東西/南北考―いくつもの日本へ (岩波新書)
 
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東西/南北考―いくつもの日本へ (岩波新書) [新書]

赤坂 憲雄
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

東西から南北へ視点を転換することで多様な日本の姿が浮かび上がる.「ひとつの日本」という歴史認識のほころびを起点に,北海道・東北から奄美・沖縄へと繋がる南北を軸に,縄文以来の「いくつもの日本」の歴史・文化的な重層性をたどる.新たな列島の民族史を切り拓く,気鋭の民俗学者による意欲的な日本文化論.

内容(「BOOK」データベースより)

東西から南北へ視点を転換することで多様な日本の姿が浮かび上がる。「ひとつの日本」という歴史認識のほころびを起点に、縄文以来、北海道・東北から奄美・沖縄へと繋がる南北を軸とした「いくつもの日本」の歴史・文化的な重層性をたどる。新たな列島の民族史を切り拓く、気鋭の民俗学者による意欲的な日本文化論。

登録情報

  • 新書: 199ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2000/11/20)
  • ISBN-10: 4004307007
  • ISBN-13: 978-4004307006
  • 発売日: 2000/11/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By カスタマー
形式:新書
新聞紙上での赤坂氏の主張には以前から関心をもっていた。手頃な新書版が出たので早速購入した。

従来の民俗学では、日本は民俗的にも文化的にも均一であるとの暗黙の前提があった。この場合東北の一部や北海道、かつまた沖縄を捨象しなければならなかった。しかし本書を読み終えると、輻輳、重層的、多元的な日本が姿を現した。そして切り捨てられていた東北、北海道、沖縄にこそ、新たな民族史的景観の鍵が存在すると予感できた。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
著者は“あとがき”で、「いくつもの日本」を孕んだ地域こそが、逆説的ではあるが、グローバル化の時代にたいする抵抗の拠点となる、と執筆への決意を語っている。とりわけ、地域というものに、歴史的な、あるいは哲学的な根拠をあたえたいとの強烈な思いを述べているのが印象的だ。
大相撲と異種格闘技、唐突にも受けとれるこの言葉が不思議なことに本著の重要なメタファーとなっている。つまり、「御国」を背負い、自明のように列島の東西いずれかに帰属して演じられるこの相撲に対して、あえて異種格闘技として南北の軸を立てて論考を企てるのだ。まぎれもなくそのことは、縄文以来の民族史的景観にたいして、「ひとつの日本」というフィルターを自明としてかぶせてゆく歴史認識の作法に異をとなえるものであり、柳田民俗学を相対的に捉えかえす新しい民俗学の発展に一石を投じるものである。
内容的には、箕という農具の論考から言葉やしきたり、さらに地域のはじまり、穢れの民族史へと展開される。その中で文化周圏論の限界を説き、一国民俗学を越え東西論の呪縛から解放されるべく歴史的、文化的な重層性をたどるものである。
最終章では、さらに「東北学、南北の地平へ」と位置づけ野心的論考を企てるのだ。それは、きわめて示唆に富んでいて説得力がある。著者は、稲に覆い尽されたひとつの東北は、西の文化によって去勢された幻の風景にすぎないとし、東北学はいくつもの東北をめざす、と表明している。東北はむしろ、多元的な種族=文化が交わる、南/北の地平へと開かれたカオスの土地だとも…
いくつもの東北から、いくつもの日本へ、そして、いくつものアジアへ。歴史の総体が、そうして再審の場へと誘われていく、とくくられている。地域考(いくつもの日本)から世界を視野にいれる渾身の一冊。
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By hiraku トップ1000レビュアー
形式:新書
赤坂憲雄「東西/南北考-いくつもの日本へ」を読了。日本とは何か、を民俗学の視点から考察した書。「ひとつの日本」という柳田民俗学からの流れを見直し、「いくつもの日本」を提唱する。「ひとつの日本」と定義したときに起こる不都合、北海道や東北、沖縄にのこる文化を説明できない。だから「いくつもの日本」を著者は提唱する。また、東西と考えたときに、侵攻する西と侵攻される東と教科書的な視点から、南と北の視点が必要という。
東北に生まれ、東北に育ち、今もって東北に住んでいる私のこれまでの違和感が払拭された書であった。まさに書かれていることはそのとおりで、これまでの日本を形作った大和朝廷からの流れ(西からの流れ)にちょっと棹差してみると、今まで見えなかったことが見えてくる。本書に書かれていることは、昔のことも多く、実感できないかもしれないが、我々東北に住む人間としては、感覚的に理解できることである。アイヌの人は津軽海峡を「しょっぱい河」と呼んでいた。そのことからも、北海道と東北は分断されているのではなく、繋がったものであったのである。そしてそのつながりはアジアに向かっている。
何とも魅力的な書で勇気をもらえる書であった。西から見た歴史だけで日本が出来ているわけではない、東北から見た歴史からは違う日本が見えてくる。そんなことを教えてくれた書であった。
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