“あやしげな教授が率いる穴掘り集団”の帯に惹かれて購入しました。“考古学って正直、かなり地味・・”というあおりからもわかるとおり、大学で考古学を専攻する学生たちとその教授、そして高校生の主人公の話。進路に悩む主人公が、両親が経営する研修センターを利用した大学生と交流する中で、自分の将来を模索するといったストーリーです。
絵柄はとてもきれいで可愛らしいのですが、考古学といったマイナーなテーマでこういう、どちらかというとファンタジーテイストな絵柄は合うのかなぁと最初は少し心配でした。読み進めていくうちにそこまで気にならなくなりましたけど。
で、話が、これがなかなかに面白いんですよね。作中では鎌倉時代の遺構を発掘調査するのですが、大学生たちと交流し発掘に協力する主人公が鎌倉の人々に思いを馳せるシーンなどはとても見ごたえがありましたし、作者の伝えたいことが十分にわかって面白かったです。
ついでに私が専門は違いこそすれ大学で考古学の講義をとっていることもあって、考古学の発掘の様子なんかが垣間見えてとても興味深かったですね。
ヒロインの大学生の女の子が考古学に対して持つ熱い気持ちもとても理解できるし(おそらく作者が当時感じていた感覚なんでしょうね)、こういった興味のある分野を果敢に調査する姿勢に私も読みながら刺激されました。
話の最後に大学受験の終わった主人公が、一回り大きくなったというような良い表情をしているので、読後感を爽やかにしてくれました。
あとがきを見ると、作者の野口さんは学生時代は考古学をやっておられたとか。ご自身がやっておられたとはいえ、考古学という分野を漫画で面白く表現している点が非常に好感が持てました。
あとこれは関係ないのですが、タイトルにもあるように東海地方が舞台の作品だけあって、方言がかなり東海地方独特のなまりなんですね。私が東海地方出身ということもあってその点も非常に嬉しくなったというか、懐かしい気持ちにさせてくれましたので大満足の★4つです^^