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東洋哲学覚書 意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 (中公文庫BIBLIO)
 
 

東洋哲学覚書 意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 (中公文庫BIBLIO) [文庫]

井筒 俊彦
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

壮大な構想による東洋哲学の思想的未来―。六世紀以後の仏教思想史の流れをかえた『大乗起信論』を、東洋哲学全体の共時論的構造化のためのテクストとして、現代的視座から新しく読み直し、分かりやすく説いた世界的碩学の迫力ある一書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

井筒 俊彦
大正3(1914)年、東京に生まれる。昭和12(1937)年、慶応義塾大学文学部卒業。昭和43(1968)年まで慶応義塾大学文学部言語文化研究所教授。翌年、カナダ・モントリオールのマックギル大学イスラーム教授、昭和47(1972)年、パリInstitut International de Philosophie会員。イラン王立哲学アカデミー教授を経て、昭和58(1983)年、慶応義塾大学名誉教授、翌年、日本学士院会員。平成5(1993)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 176ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2001/09)
  • ISBN-10: 4122039029
  • ISBN-13: 978-4122039025
  • 発売日: 2001/09
  • 商品の寸法: 15 x 10.4 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
良書です 2005/3/12
By 風蘭
形式:文庫
釈尊が始めた原始仏教から大乗仏教を経て、密教にいたる仏教思想史をみると、生の否定から肯定へと、まるで正反対のことをいっているかのようにみえます。しかしその一見矛盾にみえる反転は、実は、論理的に導かれたものだったことを説明した『大乗起信論』の解説です。

説明はかなり難しいところがあり、4つ星が妥当かもしれませんが、あらためて考えてみるととても丁寧に説明されていると思いますので、星5つ。はじめてこれを読んだときはとても感動しました。

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24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
序にこうあります。「切実な現代思想の要請に応じつつ、古典的テキストの示唆する哲学的思惟の可能性を、創造的、かつ未来志向的、に読み解き展開させていくこと、、、私はこのような態度で東洋哲学の伝統に望みたいと考えている。」

私は大乗起信論という書を、この本を読むまで知りませんでしたし、今もこの本が見せてくれた側面しか知りませんが、井筒先生の試みは成功したように思います。この本に紹介されている意識論はとても興味深く、西洋の分析的哲学に行き詰まりを覚える人にとっては新しい風を吹かせてくれるものだと思うのです。

全体的に少し抽象的ですが、論理的思考になれた者にとっては解りにくい矛盾したような東洋思想の構造も含め、大乗起信論の哲学が明快に説明してあります。

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8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
井筒氏は本書の冒頭で、 “『大乗起信論』は、本質的に一の宗教書であり、仏教哲学の著作であるが、後者の側面に絞って、『大乗起信論』を読み直し、解体して、その提出する哲学的問題を分析し、そこに含まれている哲学思想的可能性を主題として追ってみたい。要するに、『大乗起信論』を東洋哲学全体の、共時論的構造化のための基礎資料の一部として取り上げ、その意識形而上学の構造を、新しい見地から構築してみようとするのである。”と述べる。
これは、“『大乗起信論』の伝統的な解釈を踏襲せず、哲学的思想としての可能性を自由に思索してみたい。”ということのようだ。伝統的な解釈よりも自由な思索を重視すると言うのであるから、本書の内容に仏教の立場から疑問を呈することは無意味であろう。
その代わり、本書から受けた印象を一言で表現するならば、大乗経典や大乗論書の創作を彷彿とさせるものであるということである。
仏教史的には、釈尊仏教の教法(理論と実践)から法を失ったのが小乗仏教、失った実践方法は本来不要であったという論理構築を(詭弁と気づかれずに)巧妙に作り上げたのが大乗仏教である。大乗仏教の経論書の創作者も仏教の伝統的解釈から離れて、自由な発想からSF的な小説を書き上げた動機は井筒氏と同様であったに違いない。
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