池上さんは「新聞の力」と題し、少し長めのあとがきを寄せています。その中で、3.11の震災で本社サーバーがダウンした河北新報や印刷不可能に陥った山形新聞を支援した新潟日報や、岩手日報を支援した青森の東奥日報、秋田の秋田魁新報について触れています。手書きの石巻日日新聞についても紹介している。地方紙の記者もまた被災者であることから、被災者に寄り添い、被災者が本当に必要としている情報を届けることができたことに注目し、地域新聞の果たす役割について、「地域の民主主義の基盤」と総括しています。地域に根差した情報を届けることは、地域に元気を届け、腐敗防止に貢献していると。
本書には「地域に元気を届ける」記事が94本掲載されています。どれもが感動的で、人間の温かさや豊かさを再認識させてくれるものばかりです。94本の記事を「奇跡の生還」「殉職者たち」「支えあう心」「生死を分けた一瞬」「エールの声」「希望の光」「動物たちの受難」の6つのテーマに分けて編集したもので、地元紙の記者だからこそ集めることが出来た珠玉の記事。本書は被災された方の励みになるばかりか、直接被災していない我々にも勇気と元気を分けてくれます。また、これらの記事を書きあげた記者1人1人へのエールともとれました。題名通り、心をつなぐニュースです。