風景画家東山魁夷の芸術、美の心を紹介した生誕記念号。
本書は、生誕百年を迎え、この国民的画家の真価を説く。
第1部に「唐招提寺御影堂障壁画」をその原点として持ってきているのが特長である。
上段の間「山雲」、宸殿の間「濤声」、桜の間「貴山暁雲」、松の間「揚州薫風」、梅の間「桂林月宵」が鮮やかにカラーで紹介されている。
【青の巨匠】の異名をもつ画家の真髄とはいかなるものか、代表的な作品を追いながら、唐招提寺御影堂障壁画《山雲》《濤声》にその極みをみせた画伯の特質【青】の真実を追う。
彩色の鮮やかさから、単色の極みへ…これが東山画風の発展の系譜である。「朝明けの潮」「春雪」「夕静寂」など。
模索と試行錯誤を経ながら【風景画家】の道を歩み出す。
【ふるさと・こころの風景】を追って旅する。〈自然〉を描きながら、祈りにも似た〈想い〉を結実させる深遠な世界である。「残照」「道」「たにま」「光昏」など。
心のふるさとを描き、絶筆となった「夕星」は長野県信濃美術館隣接東山魁夷館にある。