取り敢えず3巻まで一気読みしたがこれは最高に面白い作品だ。柔道の創成期にこれほど魅力的な人材が生まれていたとは思いもよらなかった。
柔道の創始者は嘉納治五郎であるが凄い人物だ。東京帝国大学を卒業するインテリで幼い時より漢学を修めると同時に、英語・独語も修めるという和洋の学問を幼少より習得する一方で、講道館という私塾を開いて柔道を創設したという文武両道を究めた人物なのだ。それも23歳という大学を卒業した直後にそれを開始しているのだから恐れ入っていまう。
第一巻から三巻までは、この治五郎が柔術を学んで柔道を創設し、そこに講道館四天王と呼ばれた西郷四郎や横山作次郎らが入門し、警視庁武術試合で古流の柔術家たちと戦いを繰り広げるまでが描かれている。
西郷や横山という一癖も二癖もある人物が治五郎に魅せられていく人間模様も面白いし、現代柔道とは全く異なる当時の柔術・柔道の対戦も迫力満点でとにかく面白い。著者はこれまでも多数の格闘小説を描いているが、それらに勝るとも劣らない傑作です。