ヨーロッパでは漫画「ヒカルの碁」翻訳本が刊行されている影響で、囲碁を知っている子供達がいます。そんな御子様に囲碁初心者の私は完膚無きまでにやられました。(-_-);; そこで日本人として恥ずかしくない程度に囲碁を覚えようと一念発起して「銀星囲碁DS」の囲碁教室を始めましたが、「何故そう打つのか?」の解説があまりなくて、挫折気味でした。そこで本書を読んでみました。本書では、東大生(囲碁初心者)に全13回(約3ヶ月)の講義で囲碁の手ほどきをして、受講生の棋力を10級程度にアップさせた『囲碁の心得』が明解に解説されています。
本書の特徴は『囲碁の心得』を分かり易く言語化している処にあります。「まわりにきたらごあいさつ(ハネorノビ)」「『入れて下さい』に『入れません』とうつ」「ナナメにご用心」「自分の用心」「自分の弱い石から動くことを検討する」「キリチガイは場合によって対応を変える(ノビ or アテ→ツギ)」「離れてきたら離して打つ」「むやみにツケない」 ここで囲碁用語でない言葉(例:ナナメ)も使って囲碁の暗黙知を形式知として言語化している処に好感が持てます。(銀星囲碁で分からなかったことも解決しつつあります)
このような「暗黙知→形式知」(経験則の言語化)は高度な知的作業であり、私の仕事(研究職)でも重要な要素です。また、先を読むこと、局所的判断&大局観も重要です。そういう訳で囲碁の授業が大学で実施されていることは歓迎されるべきでしょう(→この講師陣、羨ましい限りです)。本書が網羅していない事項(定石など)は沢山あるでしょうが、「基本的な考え方」を身に付けるのに役立つでしょう。定石外の事態(失着)が発生した時の対処法や、巻末の囲碁関連用語集やコラムもGoodです。(^-^)v