無論、「傾向と対策」的な使い方としてとらえることはできると思います。いわゆる「第二問」は姿を消した?ようですが、全体としての賞味期限は切れていないのではないと推察します(2011年3月入試では第一問に「過去から未来への連続性の視点」という観点からの出題もされています。本書に記述がありましたね)
ただ、本書の活用をそこに限定するのは惜しいと思います。東京大学(日本の最高水準の知性...)が、将来の日本指導者をどのように描いているか。そして、その観点が入試問題という形をとり、過去数十年にわたってどのように継続されてきたかを知ることができます。
また、本書を評論文として考察することで、読解力を深めることができると思います。問題に対する解説が、レベル的には難解すぎず、やさしすぎず、ちょうど入試レベルくらいだと思います。この点でも受験生には読む価値はあると思います。
しかし、解釈自体には異論もあります。例えば、主に本書前半に展開される「死」へのこだわりについては、テーマが重い(重すぎる)ため、もっと紙幅を割いて分析すべきであると思います。(日本人の死生観に限定している点、とか)
繰り返しになりますが、このように、批判的に読解することで本書は有効に活用できると思います。