渋滞学で有名な筆者が、科学者らしい観点で物事を如何に「考える」か、というテーマについて纏めた一冊である。本書の要旨は、思考は能動的に働かせ、多段階の考え方で、疑うべきを疑い、大局観を持って、選択肢を考え、時には異次元にジャンプする、というものである。
「ひらめき」は考えに考えて脳圧を極限まで高め、その後に弛緩させた瞬間に生まれるもの、という経験則は、日頃脳が疲労するまで酷使している筆者なればこそ、言えるのかもしれない。また、「ひらめき三上」(馬上、枕上、厠上=現代風には、電車の中、ベッドの上、トイレ)という、ひらめきが生まれる場所も興味深い。
時間のない時、窮地に立たされた時こそ、考える力が問われる。持続的に考える力、「思考体力」を鍛える為に参考となる一冊である。