著者は、東大を「世界の知の頂点」とし、日本、さらには世界の課題解決に役立つ大学に変革するビジョンを持つ。変革のキーワードは、細分化した知識を相互に関連づけて捉える「知の構造化」と、各分野でトップレベルの研究者たちが互いに「協調」する「自律分散協調系」。本書はこうした変革のコンセプトをより具体的に説明する。
例えば、「東大に新しい学部をつくるとしたらどんな学部か」という問いには、「各学部に分散しているものを活用し、ネットワーク型のマネジメントスクールをつくりたい」と答える。「早慶やハーバードよりも東大のいいところはどこか」という問いには「一番の強みは真の意味での総合大学だという点。教授陣の厚みは圧倒的」と答えるが、雑多なものが無秩序に存在する「自律分散系」では価値は生まれないとして、「自律分散協調系」に持っていくため、「経営」という軸を組織に通す必要があると指摘する。
「『受験テクニック』で東大に合格できるか」「なぜ日本にはグーグルのような企業が生まれないのか」「東大の卒業生が専業主婦になったら、もったいないと思うか」といった興味深い質問に、著者なりの考えを示す。
(日経ビジネス 2007/06/04 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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