本書は、お金に関する著者の論考を基本的な部分で解説したものだ。稼ぎ、使い、貯金し、借金し、投資をする等ということを順番に説明し、いかに賢く、有効に使うか、または危ない使い方=やってはいけない使い方についても述べている。本来であれば中学、高校時代から少しずつ長く学校現場で教えてほしい内容ばかりだ。ということで、東大で・・というタイトルに何ら実効的な意味はない。
本書の解説事項を、コツコツと子供のころから少しずつ身にしみこませることだけで、日本からサラ金はなくなるんじゃないだろうか。また、そういう子供が将来、金融当局や銀行に勤めたら、よほど健全な経済行政もできるし、預金者に正当な金利を払う健全な銀行が日本にできるだろう。
しかしながら、本書の最後は最悪だ。グローバル市場で国民の資産を運用することの重要性、必要性を完全に否定するかのような言説が目立つ。また、最後には国家の財政破綻はもう避けられないことであるとし、その穴埋めに国民の資産をつぎ込むこと、税率を上げることを当然としている主張は全く愚かだと思う。
日本人は生きているだけで丸儲けなんだから、文句をつけるなと言ってみたり、世界経済、日本経済の現状に対してのあまりの無理解、不勉強ぶりが露呈されている。
最終章の直前まではなかなか良い本だと思ったが、最後の最後に爆発をしてしまい、自分で自分の本をトンデモ本にしてしまっている。草間氏のこれらの一連の言説と大きくそれることを畑村さんも考えてはいないようだ。 本書と前掲の「社会人学」を通して読み、それを実践することで、恐ろしく時代遅れで為政者に騙されつくされても全くそれに気がつかないまま年をとっていく、ツマラナイ可哀相なおっさんになれることも違いなしだ。思考停止をしているヒトにとっては最も分かりやすい良書だろう。