食の安全性とか食料自給率の確保とか、
毎日ニュースで聞いて心を暗くするくせに、
大半の日本人は実際に食を作り国を支える農漁村の現状には
関心を持とうとしない(私も含め)。
著者は数年にわたり東北の農漁村を歩き、
その現実の姿を静かな口調で伝えている。
大言壮語した警世の書でもなければ、
無理に明るく希望を語ろうともしない。
しかし、農漁業を支える人の大半が高齢者であり、
行政の無理解と大企業のエゴという逆風にあいながら
今や風前の灯で何とか維持されているということを
ありありと伝えている。
エコだなんだと大上段に語る前に、
目の前にある危機に眼を向けなれければ、
と深く考えさせられる良書である。
著者はこの取材の後、自らも農業を始めたというが、
その思いは一読者の私にも、浸み込むように伝わってきた。
(追記:2011年3月15日)
このたびの大震災により被害に遭われた東北の皆様に対し
お見舞い申し上げるとともに、
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。
この本を読まれた方ならおわかりかと思いますが、
東北の、特に農業漁業に従事されてきた方々は
過去の過酷な地震・津波・飢饉・戦争を乗り越えられ、
日本の食を支えてきてくださいました。
これからは日本全体で、東北の方々を支えないといけませんね。
力を尽くしましょう!