会津で年間100kg以上のきのこを採る者(アマチュア)として、本書は買って良かったと思える本である。
普段、ブナ林で沢山採っている“ナラタケ”が実は「ナラタケ」ではなく「キツブナラタケ」だったことを本書で知った。このように一般に“ナラタケ”と呼んでいるきのこは、「ナラタケモドキ」「ナラタケ」「ワタゲナラタケ」「ヤチナラタケ」「オニナラタケ」「クロゲナラタケ」「キツブナラタケ」と7種に分類されており、山でそれぞれを判別できると思うと嬉しい。
また、地方による呼び名の違いでしかないように思われていた「コウタケ」「シシタケ」は、その違いが分かる写真で2つに分けられており、これによれば、地元で“シシタケ”と呼んでいるきのこは「コウタケ」とされていた。
さらに、「コウタケ」に似た種で傘の鱗片がささくれだっていないものを「ケロウジ」か?と捨てていたが、これが日本新産種の「マツシシタケ(食菌)」として分類されており、今まで捨てていたことが残念ではあるが、今後は安心して採れると思うとこれも嬉しい。
個人的には地元では美味しい食菌として一般的で、“ボダシ”と呼んでいるきのこを「ヤチヒロヒダタケ」として紹介してくれたのも非常に嬉しい。
このように日本新産種の紹介と、馴染み深い菌種が細分化されていることは、他の“きのこ本”では見られず、この本でのみ確認できることなので、その点から是非お勧めしたい一冊である。
なお、非食菌も含めて477種も紹介されているため、ほとんどのきのこが写真は1点のみなのが残念であるが、これは上記の優れた点により帳消しにされるべき程度の問題である。