東京を目的も持たずブラリとさまよう。
「飄然」と旅に出た町田康はしかし、行く先々で店員に「いらっしゃいませ」と言われなかったり、8本セットの串カツを自分だけ7本しか貰えなかったりと、散々な目に遭う。世の中の不条理を目の当たりにし、最後に彼は悟る、「期待は必ず裏切られること」を。それでもほんの少しの期待を「抱きしめつつ」旅は終わる。
世の中の不条理を独特のリズムと語彙によって、読ませてしまう筆力は見事だと思う。時にお腹をかかえて笑いながら読み進めてしまったほど。
読み終わった後、不条理な世の中を「飄然」したくなった。
町田康作品にしては、とても読み易い一冊。「猫にかまけて」同様、こうゆうトーンの作品も個人的には好き。