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この駅の超高層ビル構想を断念させた運動があったとはこの本を読んで初めて知った。いろんな文化人が参加して「おしゃれな運動」になったらしい。このような東京遺産保存運動の成功例(上野奏楽堂、岩崎邸、上野不忍池、安田邸)、失敗例(丸ビル、谷中五重塔、富士見坂、同潤会アパート等)の経験を語りながら、東京という「地域」から草の根「遺産保存運動」のあり方を問う書になっている。私の住んでいる倉敷でも参考にすべき点が多々あると感じた。
本書は、1954年東京に生まれた作家!・地域雑誌編集者である森が、1998-1999年に『世界』に連載した、東京の近代化・景観遺産保存の市民運動の記録をもとにしている。ここでは、遺産保存の効能と限界・困難、運動の戦略、町づくりとの関係などが、著者の運動体験をもとに述べられており、非常に興味深い。また、地域運動とナショナリズムとの重なりとずれが、行間からうかがえるのも、面白い。他方、本書を読みながら、現在の我々にとって、町は一種の社会的「自然」とも言えるのではないか、との思いも頭をかすめる。
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