玉置勉強はそのスジじゃかなり知られたエロ漫画家。
その作者が世間様向けにタイトロープダンサー並みのバランスを取りつつ、時に片足を踏み外して書いた作品の最終巻。
4冊に渡るエロとグロとカニバリズムと暴力の吹き荒れる倒錯のスプラッタ嵐を潜り抜けて最後に見えて来たのは意外にも「愛のカタチ」。
セオスのセリフ、
「な・・何故!! 俺を!! 拒む!! この!! 俺をッ!!」
が象徴的。
支配欲故に暴力的になるセオスやジェンティーレ、片倉(?)など男達の愛は相手を取り込もうとする。
この男達の「取り込もうとする愛」には彼女の意思は関係ない。
強引に取り込む(喰う、犯す)時点で世界は収束する。
しかし、アスタルテ(赤ずきん)は男達の世界から拒絶し、分離する。
無視し、強引に取り込んだアスタルテの「意思」こそが男達の愛(世界)を破壊する。
取り込もうにも永遠に取り込めない他者に対する愛のカタチ。
ストーカー、DV等が問題になる昨今、本作品は現代を愛のカタチで鮮やかに切り取ってみせた。
万人にはとてもじゃないが薦められない。
でも読めば癖になる(人もいる)、クサヤの干物のような一冊。