牛村、日暮、両歴史学者の東京裁判についての対談である。
第一章 A級戦犯二十八人はなぜ選ばれたのか
第二章 東京裁判の舞台裏
第三章 「パル判決」の真実
第五章 二十一世紀からかえりみる
の五章からなるが、本書は東京裁判の歴史的事実の羅列や解説ではない。
東京裁判なるものが60年前に開かれて、判決が下りたことを前提として、その事実と現代における影響の分析を試みている。
この対談の過程で、我々が日常的に使っている「A級戦犯」の意味、BC級戦犯との違いなどを学ぶことができる。また、判決当時、さながら「日本無罪論」を展開したかのごとく、日本人が熱狂したインドのパル判事の判決の真実も本書によって理解することが出来よう。
この裁判は勝者による敗者の裁きと言われているが、南京大虐殺など、この裁判まで表ざたにされていなかった事実も我々は知ることができるようになった。
また、A級戦犯が合祀されたことによって、近隣諸国との間にあらたに引き起こされた靖国神社参拝問題などのルーツも本書によって学ぶことができよう。
非常に学究的な対談だけに、勉強にはなるが、読んでいて、いまひとつ面白みに欠けるのが欠点だ。