東京について多く執筆しているコラム職人・泉麻人が昭和初期に活躍した今和次郎(こん・わじろう)と吉田謙吉の仕事を現代風に再編集した一冊。
書店で装丁の美しさにやられて購入!
こういう内容は学術的で堅苦しくなりがちだが、そうではなく気軽に読める本に編集されているところはさすが職人・泉麻人。
いま流行りの古い写真をまとめた本などからでは絶対に読み取れない当時の市井の人びとの様子がわかって面白い。
当時彼ら(今と吉田)が行っていた調査レポートを、銀座、浅草、本所深川、阿佐ヶ谷…とエリア別に泉麻人がやさしくナビゲートしてくれているので、街についてのコラム集としても楽しめる。
巻末に収録された豊富な図版を眺めるだけでも一読の価値があると思う。思わずうっとりしてしまった。
関東大震災からの復興の様子を記すために始めたという“考現学”。
先の震災で心を痛めた日本人は多いと思うが、この本で取り上げている関東大震災後の復興の記録に、未来に向けてのメッセージが隠されている気がしてならない。