『東京立ち飲みクローリング』
●立ち飲み=オヤジ、コップ酒、常連客……というイメージがありがち。しかし実は今、東京の立ち飲み事情は百花繚乱状態。外国人の多く集まる生バンドが入るアイリッシュパブや、酒屋に併設された質の高い日本酒を出す店、入りづらいと思っていたガード下の激安かつ旨い店、割烹料理やワインなどを出すグルメな店など、気軽さと安さも手伝って、新旧和洋あらゆるタイプの立ち飲み屋が今、東京でしのぎを削っています。
●そのなかでも、酒の種類や味、素材、雰囲気などにおいて、それぞれに特徴づけられた高いクオリティの店を、エリア別に厳選して紹介。『立ち飲み屋』(共著)、『立ち呑み詩人のすすめ』、『女性のための東京スタンディング・パブ』(監修・共著)などの著書を発表し、東京の立ち飲み事情に詳しい吉田 類(よしだ・るい)氏が、本書のために新たに自身の目と舌で確認し取材した、折り紙付きの店ばかり。
●これまでの立ち飲みの本とは違い、すべて撮りおろしのカラー写真付きなので、中の様子がよくわかり、読者の方も、より行ってみようという気になるはず。
●巻末には、本文で紹介している店はもちろんのこと、安心して記載できる店・計164軒の詳しい情報と地図を、まとめて掲載。この本を手に気軽にクローリング(=はしご酒)できる、まさに東京の立ち飲み屋の集大成ともいえる本です。
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頁は角を丸く削っており、見返しと中表紙の間に一枚、包装で使うようなザラ紙が入っていて、判で捺したようなたくさんの「酒」というロゴが模様になっている。他にもちょっとしたところに味のある意匠が使われている。吉田さんのリクエストなのか。ちょっとワクワクさせる。
写真も著者自身が撮っている。
「カメラは3合までなら手ブレすることなく、シャッターを切れる。酒場の温もりや、酒匂の風を撮りたいと心掛けてはいるが、マニュアルでじっくり構えるというチャンスがもっとほしかった」(本書p.139)
プロの取材カメラマンなら、とりあえず綺麗な絵を心掛けるだろう。「えっ、あの店こんなに洒落てたっけ。いやあ写真のマジックだねー」・・・というような。
だが吉田さんは違う。多少粗が見えても味のある写真なのだ。そこに「立ち飲み」の本の企画意図が見えかくれする。
「酒場は、マニアックなセンスとのっびきならない裏事情に満ちているほどおもしろい」(同p.10)のだ。
ここには僕が東京在住時代にお世話になった店も登場している。
四谷の鈴傳は会社の近くということもあり気軽に通ってたが、大老舗だったということをこの本で初めて知った。でも当時は「立ち飲み」というスタイルをあまり意識したことはなかったが。本書を読んではじめて、立ち飲みの素晴らしさに開眼した。
終わりの「立ち飲みを愛する人々へ」という章が、またいい。
吉田類ファンならずとも、気軽に楽しく読めて立ち飲みの素晴らしさ、面白さがわかってくる。
読後、飲みに行きたくなる。近所にあるだろうか。本には出ていない立ち飲みスタイルの店を探しに街を歩いてみる。
そんな読み方もできる。
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