この作品は、昭和初期の日本の文化や、昔の日本映画・推理小説などに対するオマージュやリスペクトに溢れています。
もちろん、その辺の事を知らなくても十分楽しめる作品になっています。
現に、連載してた頃、何も知らない地方の小学生だった私でも、普通に楽しく読んでました。
……でも東京に住み、本読んだりして、少し知識をかじった今の方が何倍も面白いのです。
この作品を読んだ後、実際に舞台となった浅草の浅草寺や上野公園、谷中や根津あたり、あるいは銀座などに行ってみると味わい深いですよ。
意外や意外に当時の建物が残ってたりして、勝手に気分に浸れます。
最近は近代建築のガイドブックなども出てます。
大正・昭和関係の本を読むだけでも、この作品に出てくる固有名詞の意味が分かって面白いです。
『帝劇に三越』とか『浅草六区』とか…。
特に地方出身の私は、セリフにある『ブロマイドのマルベル堂』が実在する店名だという事に驚き、しかも浅草でまだ営業しているのを見て更に驚き……。
『あずきアイス』そっくりのアイスモナカが実際に売られていて驚き…って具合です。
またこの1巻では、草二郎が徹底して『常に子供の味方』でいる所も、凄いな〜、良く描いてるよな〜と思います。
今ではあまり見かけない『古き良きヒーロー像』として…。
そして、あっさり描いてあるけど、1巻では『フミちゃんのことが相当好きらしい』ことも分かります。
まあ読んでみて下さい。
セリフの端々や立ち振舞い、浅草に留まる理由まで…。(←でも、そんなフミちゃんの存在感も2巻以降だんだん薄くなってしまうのですが…。)
以上の事柄は、この文庫版を手に届くところに置いて、パラパラめくってみて気づいたことです。
読めば読むほど、何かしら気付きがあり楽しめます。おすすめ。