カワカミさんの、本当なのか本当めいたつくりものなのかつくりものめいた本当なのか、ビミョーな日記。読んでるとちょっとそわそわする。
たとえば百円ショップに行ってその安さにしんそこ驚き、いろんな形のツボ押し器を三種類買った日。“蛙の形のものを「タツヤ」と名づける。タツヤという名の人に知り合いがいないので。でもちょっと知り合ってみたい名前なので。/夜、タツヤに腰と肩のツボ押しをさせたけど、あまり効かない。”
たとえば山の上ホテルのバーで大人の女の気分でカクテルを飲んだ日。“カクテルを頼むとき、「ジントニックにします。あ、ちがった、ブラッディメアリーにします。あ、ちがった、ソルティードッグにします。あ、やっぱりブラッディメアリーにします」と言っている自分に気づいて、やっぱり「大人の女」になんかなっていないよな、と反省する。”
たとえば雨の日、友だちに電話すると誰もが留守で“計五人の友だちにかけてみたが、結局誰もいない。さみしくてしばらくぼんやりしてから、思いついて117番にかけてみる。午後三時二十五分三十秒から二十六分三十秒までの、七回ぶんの時報を聞いてから、そうっと受話器を戻す。”
こういうのを読むと、ああーっ自分もブログとかで書いてみたいっと、つい思っちゃう。だめだめ。カワカミさんだからいいのよ。
ちなみにこの本はほのぼのかわいいイラストが女心をくすぐるんだけど、初出は「東京人」。おおむねカワカミさんより年上の男性がもとともとの読者層(と思われる)。うーん、なるほどね。おじさんも「大人の女」のひとも「かわいい!」と唸らせるワザはなかなか。