~竹中直人監督の作品でこの映画が一番愛情に溢れていると思います。
荒木経惟の写真家人生は陽子との出会いから始まったと言われている。
荒木氏とその妻陽子との共著『東京日和』。これは荒木氏とヨーコによるエッセイ+写真集になるはずであったが、ヨーコが亡くなるまでの3回分のエッセイに加えて、荒木経惟の亡き陽子の写真、想いにあふれる書である~~。
竹中監督はこの書を観て、いつかこれを映画にしたいとずっと考えていた。
映画にするにあたって、当初、荒木夫妻の物語に沿った作品にしようと思っていたが、それだと荒木氏の個性が強いため、荒木氏の作品になってしまう。それで、『東京日和』の印象は残しながら、ある写真家の夫とその妻の物語にし、自由に作品を作ったという。
実際のヨーコとは~~年齢の違う中山美穂が主役だが、実際のヨーコ像とは異なるが、監督は『そこにいるのにいないような空気を感じさせる』『近くにいるようだけど遠い人』というイメージを生かし、中山美穂という存在をこれほど美しく繊細に映し出すことができるのかという驚きを隠せない。
このように書くと違った作品になってしまったのではと思うかもしれないが、完成作品~~を観た荒木氏は、竹中監督に『俺たち夫婦のドキュメンタリーだな。俺が陽子に言えなかったことを映画で語られちゃったよ』と感想を漏らした。
荒木氏にこう言わしめたこの作品は、彼のヨーコへの愛情を素直に映し出すことが出来たんだろう。
精神的なバランスを保てないでいる妻に、愛するが故に振り回される時もある。妻が今にも消えてしまうのでは・~~・という不安を抱く竹中直人演じる荒木氏、二人の日常の幸福、すれ違い、美しく切ない純愛の物語。
音楽、共演者、美しい映像、すべてそろった素晴らしい作品であると私は思う~