50年分の問題を一通り見てまず目につくのが、いわゆる“東工大らしさ”の源流とも言える誘導を取り払った短文の問題である。
誘導が無いということは、すなわちその問題の論理的帰結に至るプロセスを自ら設計することが求められているわけであり、そこからは、まさしく受験生の真の数学力を試し、また日本の明日を担う後輩たちにそのような能力を養成するための学習課題を提供しようという出題者側のポリシーが見て取れる。
これらの本格的な問題の数々は、東工大志望者にはもちろんのこと、たとえ他大学志望であっても数学好きな者や揺るぎない数学力を身に付けたいと考えている者、さらには高校生・受験生に数学を指導する立場にある方々にとっても資料的価値の高い大変有益なものとなるだろう。
同シリーズの他大学のものも含め、ここに50年分もの入試問題と解答が容易に手に入ることとなったのは、非常に画期的な出来事である。