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東京大学で世界文学を学ぶ [単行本(ソフトカバー)]

辻原 登
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

現役東大生と学ぶ世界文学早わかり講義録
ユダの福音書、ゴーゴリ、二葉亭四迷、村上春樹・・・。世界と日本の文学の歴史を振り返り、その果実を味わい尽くす。東大生と一緒に学ぶ、面白くてためになる世界文学早わかり講義録。

内容(「BOOK」データベースより)

自作原稿を焼却したゴーゴリの数奇な生涯。漢語の輸入から日本文学の成熟へ、神話から始まって聖書へ―物語の歴史を考察する。短篇小説の跳躍について。近代の三大小説『ドン・キホーテ』『ボヴァリー夫人』『白痴』を細部まで読み解く要約の妙技。言霊信仰から『悪魔の詩』までの物騒なフィクションの話。小説の誕生から、その構造や手法をめっぽう面白く解説する。小説を通して見ると、人生と世界がつながる。目からうろこの文学講義。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 368ページ
  • 出版社: 集英社 (2010/11/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087753964
  • ISBN-13: 978-4087753967
  • 発売日: 2010/11/5
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
 作家・辻原登が2009年春から夏にかけて東京大学で14回行った近現代小説の講義をもとに編んだ一冊です。その分野の専門家にとってどれほどの価値があるかは分かりませんが、文学部出身でなく、ただ手当たり次第に興味を引かれた古今東西の小説を手にして生きて来た私にとっては、ここに書かれていることは大変新鮮で刺激的なものでした。

 近代文学が個人の混沌とした内面を言語で表現することを重視して発展してきたというのはなるほどと頷ける点です。そこに二葉亭四迷ら明治の近代作家たちが大いに悩んだ姿を思うに、私たちの先達たちがたどった苦難の道の遥かなること、そして豊かなることを思わざるをえません。

 後段、『ドン・キホーテ』『ボヴァリー夫人』『白痴』の3大小説を読み解きながら進める文学論は知的冒険の旅を味わう思いがしました。まさに著者が記す次の通りの読書体験を味わうことの興奮を再認識したように思います。

 「読むという行為。向こう側に小説の中を流れる時間があって、そしてこちら側に我々の生きている時間があり、それが、読む時間の中で一つになる。この時間の感覚が『リアル』というもののほんとうの意味だと僕は思います。芸術を鑑賞するときのリアルというのは、まさにそういうふうに、我々が生きている時間と作品の中を流れる時間が一つになったとき。その時、我々はほんとうの意味で感動する。それがリアルです。」(178頁)

 6年前に読んだ著者自身の小説『枯葉の中の青い炎』を執筆するに至る道程や、去年手にした『抱擁』に関するパスティーシュ論が記されていた点も大変興味深く読みました。

 古典文学を何か一冊手にとって、この本に書かれていたことを確かめてみたいという気にさせる書でした。
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18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ500レビュアー
人間が生まれて成長していく過程と、人類が誕生して文化を持っていく、言語を習得していく過程とはパラレルではないか。そういうふうに考えるしかないような形で人間が意識、つまり、言語を持った。(巨大となった脳細胞の自己保存)
言語を持つということは音を分節すると同時に世界を分節することである。外側の世界を音によって分節化して再構築する。
そこに物語が生まれる。神話が誕生する。
物語とは共同体内部の声に依拠している。
近代の小説(言語で書かれたもの)は個人がつくり出したものである。そして、物語から声が失われたものが黙読である。
声が閉じ込められることによって「内面」が生まれる。心である。つまり、「行為」でなく主観・客観・対象である。
(仏教ではこれを幻化・空華とする)

明治以来の教育は一貫してこの流れを加速させてきた。(近代化)
この本を読んでいると江戸時代以前についてどの程度を理解出来るだろうかということを考えてしまう。
外部自然と私とが切れ目なしに地続きになっている無垢な経験が今では失われている。「行為」という視点の欠落である。
かろうじて武術等には残っているがこの落差は大きい。

辻原登は慧眼の人である。このほか多数の斬新な見解が示されている。
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21 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
まえがきに小林秀雄さんから、著者がうけた助言が引いてある。
括弧内はレビュワーの感想である
「若し或る名作家を択んだら彼の全集を読め」
(そのとおりであると思う)
そして、次にこうおっしゃる。
「誰か迷ったら、トルストイを読め」
次にはこう決め付ける。
「戦争と平和を読め、文学入門書というものを信じてはいけない」

ということで私は、辻原登さんのこの本をしばし傍らに措き、『戦争と平和』を読むのである。
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