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東京大学「80年代地下文化論」講義 (白夜ライブラリー002)
 
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東京大学「80年代地下文化論」講義 (白夜ライブラリー002) [文庫]

宮沢 章夫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

'80年代は「バブル」で「おたく」で「スカだった」のか?
時代の先端を走る宮沢章夫が、東大駒場キャンパス最奥の密室で80年代生まれの東大生を前に考え、迷い、口ごもりながら語った[80年代と現在を結ぶ手がかり]。
当時のカルチャー・シーンを切り取った貴重な資料・図版・地図を満載!
[解説/桜井圭介](音楽家)

内容(「MARC」データベースより)

80年代は、バブルでおたくでスカだったのか? 80年代生まれの学生を前に考え、迷い、口ごもりながら語る、トーキョーアンダーグラウンド・80年代裏文化史。東大駒場キャンパス最奥の密室で行われた講義を収録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 485ページ
  • 出版社: 白夜書房 (2008/7/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4861914396
  • ISBN-13: 978-4861914393
  • 発売日: 2008/7/23
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 ここのところ80年代を顧みる著作が数多く出版されている。その中心となっているキーワードは「おたく」と「バブル」だ。著者が指摘するように、ピテカン、テクノ、ニューウェーヴ的なものは隠蔽、忘却されている。当時は逆だった。「おたく」も「バブル」も水面下で進行していたわけで、時代の象徴はピテカン的なものの側にあった。この20年の間に“時代のヘゲモニー”は「文化」から「資本」へ移行完了したのである。ピテカンを頂上とする「いいものもある悪いものもある」という文化的ヒエラルキーは、六本木ヒルズを頂点とする「勝ち組負け組」の資本的ヒエラルキーへと取って替わった。このパラダイムシフトの要因としてセゾン文化の功罪が挙げられる。ただ、著者が指摘する“「おいしい生活」の虚構性に皆が気づいた=バブル崩壊”というのは若干違うんじゃないか。皆、「おいしい生活」の虚構性に気づこうとしないって状況がさらに進行しちゃったんじゃないかと。大塚英志は糸井重里の仕事を“団塊世代が主導した消費による階級闘争”と評した。それを多くの人々は“文化でもなんでも金で買える”って誤解したまんまなんじゃないか。文化よりも資本のほうがえらいって言う。だから「かっこいい」の価値は下がった。“いいものが売れる”から“売れるものがいい”に時代は移った。文化では「感性」が差異を生むけれど資本では「情報」が差異を生む。だから「感性」じゃなく「情報」勝負の「おたく」の方法論が今の時代にマッチしているんだろう。
  もし仮に80年代がスカなんだとしたら90年代は大スカである。ビーイングとかがまさに「情報」で大儲けした90年代を(作業としてはつまらないにしろ)、検証、総括する必要がきっとある。80年代の“若者文化”を創っておきながら、90年代に入るや否や80年代を断罪したJICC/宝島の反動ぶりはその研究対象になるね。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 ここ数年、80年代を顧みる著作が数多く出版されている。その中心となっているキーワードは「おたく」と「バブル」だ。著者が指摘するように、ピテカン、テクノ、ニューウェーヴ的なものは隠蔽、忘却されている。当時は逆だった。「おたく」も「バブル」も水面下で進行していたわけで、時代の象徴はピテカン的なものの側にあった。この20年の間に“時代のヘゲモニー”は「文化」から「資本」へ移行完了したのである。ピテカンを頂上とする「いいものもある悪いものもある」という文化的ヒエラルキーは、六本木ヒルズを頂点とする「勝ち組負け組」の資本的ヒエラルキーへと取って替わった。このパラダイムシフトの要因としてセゾン文化の功罪が挙げられる。ただ、著者が指摘する“「おいしい生活」の虚構性に皆が気づいた=バブル崩壊”というのは若干違うんじゃないか。皆、「おいしい生活」の虚構性に気づこうとしないって状況がさらに進行しちゃったんじゃないかと。大塚英志は糸井重里の仕事を“団塊世代が主導した消費による階級闘争”と評した。それを多くの人々は“文化でもなんでも金で買える”って誤解したまんまなんじゃないか。文化よりも資本のほうがえらいって言う。だから「かっこいい」の価値は下がった。“いいものが売れる”から“売れるものがいい”に時代は移った。文化では「感性」が差異を生むけれど資本では「情報」が差異を生む。だから「感性」じゃなく「情報」勝負の「おたく」の方法論が今の時代にマッチしているんだろう。
  もし仮に80年代がスカなんだとしたら90年代は大スカである。ビーイングとかがまさに「情報」で大儲けした90年代を(作業としてはつまらないにしろ)、検証、総括する必要がきっとある。80年代の“若者文化”を創っておきながら、90年代に入るや否や80年代を断罪したJICC/宝島の反動ぶりはその研究対象になるね。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 オタク論が花盛りの現在、80年代ってそれだけじゃないでしょ、という視点を提示する本。大塚英志『「おたく」の精神史』を反語的に読むという目標を著者は掲げていて、そのアイディアにはハッとさせられた。

 著者がオタクに対置するのが、1982年に原宿にオープンし日本におけるクラブカルチャーのさきがけとなった「ピテカントロプス・エレクトス」。つまり「かっこいい」の系譜。

 オタクたちにとってそれは「かっこいい」ではなく「かっこつけやがって」となる。「『80年代はスカだった』と言った人たちというのは、圧倒的にクラブカルチャーとか、そっち側の論理や感性みたいなものを否定した人たちだった」(p179)。そして、そういうルサンチマンを抱えた人々が「90年代を経過していくうちに大きな発言力を持っていった。現在ではその層が『新保守主義』といわれる勢力になっている」(p193)。ナルホドネェ…

 著者はセゾン系文化の脆弱さを認めつつも、そこに「かっこいい」の可能性を見る。「西武セゾンが生み出した文化を憎悪していた人たちが80年代に存在し、それがおそらく『六本木ヒルズ』を生んだ」(p99)という仮説は興味深い。ヒルズな人々って、オタクの眷属だったんですね。

 話は右往左往するし、著者が議論に必要な背景知識を十分に持ち合わせているようにも思えないが(だからオタクじゃないんだって!)、言わんとするところはよく分かった。考えるヒントをいっぱいくれる1冊だった。
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