第一回東京マラソンの一完走者として、
本書95ページの「あなたがいたから・・・」を読んだとき、涙が溢れた。
ボランティアをしてくださった方々には、後日、感謝のカードが届けられたとのこと。
レースの写真とともに、「あなたがいたから」の言葉を添えて。
それは、まさに参加したランナーみんなの思いでもあったことだろう。
ランナーも3万人いたけれど、ボランティアもあの冷たい雨が降りしきる中、1万2千670人が頑張ってくれていたのだ。
スタートしたとき、ランナーは口々に「ありがとう!」と叫んだ。
報道ではその「ありがとう!」に石原都知事も涙を流したと伝えられる。
71ページにあるとおり「沿道の一体感」があった。
東京が、あんなにあたたかい街だとは、住んでいて気がついていなかった。
みんな、日頃、他人のように眼をあわせずにすれ違うだけの街だと思っていたけれど、
全然そうではなかった。
途切れることのない178万人の声援と、笑顔、ハイタッチ、音楽、鳴り物、
「SMILE!!」の看板を持ったカップル、
買い物かごを下げたまま声援がやめられず、その場から動けなくなったおばちゃん。
・・・みんな人間の顔をしていた。
そして、荒天の中、驚異の96.6%の完走率!
沿道の各所で音楽が溢れていたのは、野口みずき選手の「音楽がすごく力になる」のひとことからだった、とは知らなかった。
それでスポーツとしてのマラソン大会が、あのように「大マラソン祭り」になった、とのこと。
すべてを語りつくせないが、さまざまなことをこの書は思い出させてくれる。
「下町コースの粋(80p)」・・・銀座もすごかったけれど、下町の応援はそれとはまた違う熱気があった。
「女性の完走者に花束を(132p)」・・・僕は男だから当然もらえなかったけれど、素敵なサプライズだと感心した。
「純金メダルとフィニッシャーメダル(135p)」・・・完走者全員に一人一人、首からメダルをかけてくれましたね。これもサプライズ!
「ありがとう!」と言ったら、ボランティアが「ありがとう!」と笑顔を返してくれた。
「ありがとう(004p)」の気持ちが街に自然に溢れた一日だった。
拙いレビューの最後に、この書でも何度も出てくることだけど、
警備や交通規制にあたった警察関係者の方々の協力や、次第に好意的になっていったマスコミの方々、
「白すぎたポンチョ(111p)」でスポンサー名が隠れても、配布を「英断だった」と褒めてくれさえしたスポンサーのような方々、
何より交通規制に我慢してランナーを走らせてくれた地域関係者の方々にも、感謝を捧げたい。
もちろん、筆者のような主催者の方々にも。
・・・そしてまた再び、砂漠といわれた東京に、人の善意と歓声が溢れる一日がやってくる。
【追記】
蛇足ですが東京マラソン2007(第1回)の記録証送付の封筒には表に大きく
”We made it together! (私たちは一緒にやり遂げた!) "の文字が入っていました。